ビールを飲むことで国税に寄与しているユタローです。
2018年の酒税法改正を受けて、2020年10月1日よりアルコール飲料に課せられた酒税が変更になります。
酒税変更は2026年10月に向けて3段階行われる予定で、今回がその1段目にあたります。
小難しいことは専門家に譲ることにして、2020年10月1日から生活者レベルで何が変わるのかを調べていきたいと思います。
10/1酒税が変わる
ニュースでもチラホラ取り上げられていますが、2020年10月1日から酒税が変更になるためビールやお酒、ワインなどのアルコール飲料の酒税が変わります。
酒税はいわゆる間接税で、製造者や事業者等が消費者に代わって税金を納めるので、給与から直接引かれる所得税や間接税として小売事業者に支払う消費税と違い、あまり消費者に馴染みのない税金です。
その税金を納める事業者である大手ビールメーカーでは、酒税改正に伴い、それぞれこのような発表を行っています。
各社がこんな発表をしていたの知ってましたか?飲食業や小売業など取引関係がないとわからないですよね。
何が言いたいかというと、
今回の酒税税率改正では、1リットルあたりビールは20円の減税、発泡酒(麦芽比率50%以上)は20円の減税、新ジャンルは28円の増税、ワインは10円の増税となります。
これだけ読むとビールと発泡酒の価格が下がって、新ジャンルとワインの価格が上がるようなふうに読み取れます。
しかし、僕たち消費者はメーカーとの取引関係はなく、酒屋さんやスーパーなどの小売業者を通じてビールを購入します。居酒屋などの飲食業も言わずもがなですね、
つまり、ビールや新ジャンルの価格が上がるのか下がるのかは小売店や飲食業次第なんです。
新ジャンルのように卸値が上がれば販売価格は上げざるを得ませんが、逆に卸価格が下がった場合はビールが安く販売されるのでしょうか?
酒税法改正で酒屋・スーパーはこう変わる
そこで実地調査のため、お酒を販売するスーパーOへ実際に足を運んでみました。
このお店では張り紙を掲出して、お客さん向けに酒税変更に伴うアルコール飲料の販売価格の変更をアナウンスしています。
新ジャンル・ワインは9/30までに買うべし!
このお店では、増税に伴い、新ジャンルとワインの販売価格が上がるのは間違いないようです。
現行の商品に増税額を照らし合わせてみるとこんな感じ。
- 新ジャンル 1ケース(350ml×24缶)235.2~336.0円
- ワイン 1本(750ml)7.5円
※販売価格ではなく税額です。
ワイン1本当たりの価格への影響は軽微に思われますが、新ジャンルを箱買いしている人にとっては増税額だけで商品を2、3本買えることを考えるとインパクトのある金額ですよね。
本麒麟やサッポロ GOLD STAR(ゴールドスター)、アサヒビール アサヒ ザ・リッチをよく飲む人は早めに購入しておきましょう。
同様に、秋限定の新ジャンルを買うなら増税前が好機です。
ユタロー的にはやっぱりホワイトベルグをおさえておきたいかな。
ビール・清酒は10/1以降は安くなる?
一方、ビールと清酒は「税率引き下げ対象(値下げ)」と記載されています。
- ビール 1ケース(350ml×24缶)168.0~240.0円
- 清酒 1本(2リットル)20.0円
※販売価格ではなく税額です。
ビールを箱買いすると約1本分安くなります。通年で飲む人にとってはお得感がありますよね。
ただし、この金額はあくまでも酒税で、はっきりとした販売価格は決まっていません。
いずれにせよ10/1以降に値上がりすることはないので、こちらは買い急がなくても大丈夫です。
チューハイ、ウイスキー、焼酎は変更なし
そういえば、ウイスキーや焼酎は話題に上がっていなかったけど実際どうなんでしょう?
これらの蒸留酒に税額の変更は行われません。
最近人気のレモンサワーとか、ストロング系も蒸留酒から作られているため、増税による価格変動は無いと思って良いでしょう。
酒税法改正で居酒屋・バーはこう変わる
酒税法改正が飲食店に与える影響はどんなものでしょう。
このあたりはまだ調査中ですが、ビール1樽の仕入れ価格が下がるという話を耳にしました。
とはいえ、昨今のコロナ禍で飲食店は苦境に立たされているため、ビールの販売価格が下がることはあまり考えられないのではないでしょうか。
あと気になるのが新ジャンル。
大手居酒屋チェーン・鳥貴族は食事・お酒を全品280円で提供していますが、2017年10月より298円に変更しました。
これには2017年6月の酒税増税が影響していたとも言われています。
今回の酒税変更で、トリキの新ジャンルの大ジョッキに影響が出るのか、とても気になりますね。
クラフトビールの販売価格への影響は?
大手のビールは生活必需品に近い要素が強いので国民生活への影響が大きいことがわかりました。
では、嗜好品にあたるクラフトビールはどうか。
結論から言うと、10/1以降も価格は変わりません。
えぇ~、大手と同じようにビール1リットルあたりにかかる税金が減るじゃんと思うかもしれません。
しかし、国内外のクラフトビールの店頭販売価格は小売店が設定していて、大手のビールと比べて柔軟に値付けをしています。
プライシングの主導権は小売店にあるので、店が価格を下げたいと考えなければ下がりません。
商品の性質上、安いから別のものを買うってもんでもないのですし、他店と価格競争するほどクラフトビールの販路が広いわけでもないことを考えると、小売店が値下げして得られるメリットはありません。
そもそも、ブルワリーから卸や小売への卸値は下げること自体が可能性として考えにくいです。
正直な話、税率の軽減でブルワリーさんやインポーターさんの利幅が増えて、さらにおもしろいビールが飲めるようになることを期待したいです。